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e-cancer:乳がん 多発性硬化症はがん検診や診断にどのような影響を与えるか?

13 May 2022

米国神経学会誌であるNeurology誌2022年4月27日オンライン版に掲載された新たな研究により、多発性硬化症(MS)の女性は非MS女性よりもがん検診で乳がんが発見される可能性が低いことが明らかになった。一方で、MS患者は非MS女性よりも早期に大腸がんが発見される可能性が高いことも見出された。

「MSは衰弱を伴い、患者の可動性が限られる場合があるため、MS患者は定期的ながん検診を受けるのが難しい場合がある」と研究著者で米国神経学会会員であるUniversity of Manitoba(カナダ・ウィニペグ)のRuth Ann Marrie, MD, PhDは述べた。「MSの罹患が定期的ながん検診の受診にどのような影響を与えているかはほとんど知られていないため、我々はこの研究を行った。早期発見と時宜を得た診断は、がんの生存に影響を及ぼしうるため重要である」

この研究ではオンタリオ州に居住する1,480万人の医療データを調査し、乳がんもしくは大腸がん患者のうちMSを有する患者と有しない患者を同定した。

研究者らは、乳がんを有するMS患者351人を同定し、年齢、性別、がんの診断を受けた日付を一致させた乳がんを有する非MS患者1,404人と比較した。同様に、大腸がんを有するMS患者54人を同定し、大腸がんを有する非MS患者216人と比較した。

次に研究者らは、被験者の医療データを調べた。乳がんが定期的なスクリーニングによって検出されたのはMS患者では29%(103人)、非MS患者では38%(529人)であった。年齢、診断年、所得を調整後、MS患者では定期的なスクリーニングで乳がんが検出される確率は32%低かった。

「MSによる障害はがんのリスクと同様に年齢とともに増加するため、MS患者は年をとると定期的にマンモグラフィ検査を受けることが難しくなる可能性がある」とMarrie氏は述べた。

また、MS患者はがんの初期段階であるステージ1の大腸がんが検出される可能性が非MS患者の2倍であることがわかった。

「MS患者では腸の症状や胃腸障害が多く発生し、こうした症状は大腸がんの症状とも共通している」とMarrie氏は述べた。「胃腸の検査が増えるため大腸がんの早期発見につながっている可能性がある」

また、MSを有する乳がん患者の21%、MSを有する大腸がん患者の33%が在宅介護サービスや長期介護を必要とするほど障害レベルが高いことが明らかになった。Marrie氏は、「MS関連の障害がスクリーニングに与える影響について、より多くの研究が必要である」と述べた。

本研究の限界は、最初に患者ががん症状に気づいたときから医師にそれを伝えたときまでの期間が含まれていないことである。またMarrie氏は、人種や民族によって疎外されている人々はがん検診へのアクセスが異なっており、これはMS患者ではさらに悪化している可能性があると述べた。Marrie氏は、人種や民族のデータはこの研究では入手できなかったため今後の研究で調査する必要があると述べた。

この研究はMS Society of Canadaからの資金提供を受けた。

https://ecancer.org/en/news/21811-does-multiple-sclerosis-play-a-role-in-cancer-screening-and-diagnosis

(2022年4月27日公開)

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