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e-cancer:メラノーマ メラノーマ治療の改善に糞便移植が有望

21 Jul 2023

Nature Medicine誌に掲載された世界初の臨床試験において、Lawson Health Research Institute、モントリオール大学病院(CHUM)およびJewish General Hospital(JGH)の多施設共同研究は、健康なドナーからの糞便微生物叢移植(FMT)が安全であり、進行性メラノーマ患者の免疫療法に対する反応性の改善に有望であることを明らかにした。

免疫療法薬は、ヒトの免疫系を刺激してがんを攻撃し破壊する。

免疫療法はメラノーマ患者の生存率を有意に改善することができるが、効果があるのは40~50%の患者に限られる。

予備研究では、ヒトの微生物叢(体内に存在する多様な微生物の集合体)が、患者が免疫療法に反応するかどうかに関与している可能性が示唆されている。

「この研究では、糞便移植によって微生物叢の健康状態を改善することで、メラノーマ患者の免疫療法に対する反応を改善することを目的とした」と、London Health Sciences Centre’s(LHSC)のLondon Regional Cancer Program(LRCP)の腫瘍内科医であり、LawsonのAssociate Scientist、Western UniversityのSchulich School of Medicine & Dentistry腫瘍学科准教授でもあるJohn Lenehan博士は述べている。

糞便移植では、健康なドナーから便を採取し、検査室でスクリーニングして準備し、患者に移植する。

ドナーの微生物叢を移植することで、患者の腸内で健康な細菌が繁殖するようにするのが目的である。

「微生物叢と免疫系、そしてがん治療との関連性は、医学界における成長分野である」と、Lawson and LHSC’s LRCPの研究者であり、Schulich Medicineの腫瘍学、病理学および臨床検査学、医学生物物理学部の助教授であり、本研究の上級研究員であるSaman Maleki博士は説明する。

「本研究は、メラノーマ患者の予後改善のために微生物を利用することを目的としている」

第I相試験には、LHSC、CHUM、Jewish General Hospitalから募集した20人のメラノーマ患者が参加した。

患者は免疫療法を開始する1週間前に、約40個の糞便移植カプセルを1回で経口投与された。

この研究により、糞便移植と免疫療法の併用は患者にとって安全であることが明らかになった。これは第I相試験(「安全性試験」とも呼ばれる)の主要目的である。

また、この研究では、ドナーの微生物叢を保持した患者の65%が、併用治療に対して臨床的反応を示した。

5人の患者が免疫療法に関連する有害事象を経験し、治療を中止した。

「免疫療法によるメラノーマの治療は頭打ちだが、微生物叢はパラダイムシフトを起こす可能性がある」と、腫瘍学者でCHUMの微生物叢センター長のBertrand Routy博士は述べている。

「この研究により、糞便移植によって免疫療法に対する患者の反応を安全に改善できることが示され、カナダはマイクロバイオーム研究の最前線に立つことになる」

「これらのエキサイティングな結果は、微生物叢を標的とすることで、がん患者に対する免疫療法が大きく前進する可能性を示唆する、急速に増加しつつある論文のリストに加わるものである」と、JGHのWilson H Miller Jr博士(McGill University医学部および腫瘍学部教授)は付け加えている。

この研究は、がん患者に健康なドナーから採取した糞便をカプセルで投与するというユニークなものである。この技術は、Schulich Medicineの感染症科主任教授でSt Joseph’s Health Care Londonの感染症ケアプログラムのメディカルディレクターであるLawson ScientistのMichael Silverman博士がロンドンで開発したものである。

「我々のグループは20年前から糞便移植を行っており、当初はC. difficile感染症の治療に成功した。その結果、方法を改良し、たった1回の投与でレシピエントの腸内にドナー微生物を非常に高い確率で生存させることができるようになった」と Silverman博士は述べる。

「我々のデータは、メラノーマ患者における成功の少なくとも一部は、カプセルの有効性に関連していることを示唆している」

研究チームはすでに、オンタリオ州とケベック州の施設を含む大規模な第II相試験を開始している。

Lawsonの研究者らは、腎細胞がん、膵臓がん、肺がん、HIV、関節リウマチなど他のがん治療における糞便移植の可能性についても研究している。

https://ecancer.org/en/news/23330-faecal-transplants-show-promise-in-improving-melanoma-treatment

(2023年7月10日公開)

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