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30 Jan 2025
GSK plc社は本日、European Commissionが全身療法の対象となる初発進行または再発の子宮体がんの成人患者に対する一次治療として、dostarlimabと化学療法(カルボプラチンおよびパクリタキセル)の併用療法を承認したと発表した。
今回の承認により、European Union (EU)におけるdostarlimabと化学療法の併用療法のこれまでの適応が拡大され、子宮体がんと診断された患者の約75%を占め、治療選択肢が限られているミスマッチ修復機能(MMRp)/マイクロサテライト安定性(MSS)腫瘍を有する患者にも適応が拡大される。
GSK社のR&D 部門Global Head OncologyのSenior Vice PresidentであるHesham Abdullah氏は、次のように述べた。
「EUで初めて、すべての初発進行または再発の子宮体がん患者に、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある全生存期間を延長する免疫腫瘍学に基づく治療法が承認された。
我々は、dostarlimabが患者の治療環境を再定義し続けることを誇りに思う」
Copenhagen University Hospital(デンマーク)のChief Oncologistであり、RUBY試験の治験責任医師であるMansoor Raza Mirza医師は、次のように述べた。「臨床医は、MMRp/MSSの初発進行または再発の子宮体がん患者の全生存期間の結果を有意に改善できる免疫腫瘍学に基づく選択肢を何年も待っていた。
今回の適応拡大は、dMMR/MSI-HとMMRp/MSSの腫瘍を有する両方の患者に対して、この希望を実現する飛躍的な進歩である」
European Commissionによるdostarlimabと化学療法の併用療法の適応拡大は、第Ⅲ相RUBY試験パート1の結果に基づいている。
RUBY試験パート1は、初発進行または再発の子宮体がん患者の全集団において、化学療法単独と比較して死亡リスクが31%低下し(HR:0.69、95%CI:0.54-0.89)、臨床的に意義のある統計学的に有意な全生存期間(OS)の延長を示した唯一の臨床試験である。
2.5年時点での生存率は、dostarlimabと化学療法の併用療法群(245例)では61%(95%CI:54-67)であったのに対し、化学療法単独群(249例)では49%(95%CI:43-55)であった。さらに、dostarlimabと化学療法の併用療法群では化学療法単独群と比較してOS中央値が16.4カ月延長した(それぞれ44.6カ月[95%CI:32.6-NR] vs. 28.2カ月[95%CI:22.1-35.6])。
追跡調査期間の中央値は3年以上であった。RUBY試験パート1 の安全性と忍容性の解析では、dostarlimabとカルボプラチン-パクリタキセルの併用療法の安全性プロファイルは、個々の薬剤の既知の安全性プロファイルと概ね一致していた。
Dostarlimabと化学療法の併用療法を受けた患者で最も多くみられた治療中に発現した有害事象(10%以上)は、発疹、斑状丘疹状皮疹、甲状腺機能低下症、発熱、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加および皮膚乾燥であった。
OSデータは、2024年3月16日にSociety of Gynecologic Oncology Annual Meeting on Women’s Cancerで発表され、2024年6月9日にAnnals of Oncology 誌に掲載された。米国におけるdostarlimabと化学療法の併用療法の適応は、2024年8月に初発進行または再発の子宮体がんのすべての成人患者に拡大された。
(2025年1月15日公開)