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e-cancer:がん全般 PIK3CA変異がんに対する標的治療の新たな進歩

04 Mar 2025

Genes & Diseases 誌に新たに掲載されたレビューは、がんにおけるPIK3CAのがん遺伝子の活性化について調査し、副作用を軽減しながら治療効果を改善するためにデザインされた新たな標的療法に焦点を当てている。

本研究は、PIK3CA変異、腫瘍増殖におけるその役割、および現在開発中の新たな治療アプローチに関する包括的な分析を提供する。

ホスホイノシチド3キナーゼ(PI3K)のp110αサブユニットをコードするPIK3CA遺伝子は、がんにおいて最も頻繁に変異するがん遺伝子の1つである。

これらの変異は、腫瘍進行、代謝リプログラミング、および既存の治療に対する耐性を引き起こすため、プレシジョン・オンコロジーの主要な標的となる。

現在、FDAに承認されているalpelisibなどのPI3Kα阻害剤は、ホルモン受容体陽性(HR+)およびHER2陰性(HER2-)乳がんの治療で成功しているが、その臨床的有効性は、高血糖などの用量制限副作用によって制限されることが多い。

本レビューでは、選択性が向上し、毒性が低減されたPIK3CA変異を特異的に標的とする次世代の治療法に焦点を当てている。

RLY-2608、STX-478、LOXO-783 を含むいくつかの有望な阻害剤は、前臨床および臨床試験でその可能性を示した。

これらの治療法は、正常なPI3K活性に影響を与えずに変異型PI3Kαを選択的に阻害することで、既存の治療法の限界を克服して有害事象を軽減し、患者の転帰を改善することを目的としている。

薬剤開発に加え、本研究ではPIK3CA変異がどのように腫瘍の代謝を変化させ、免疫回避を促進し、腫瘍微小環境を再構築するのかを探求している。

これらの知見により、PI3K阻害剤と免疫療法および代謝型薬物を組み合わせ、奏効率や治療の持続性を改善する併用療法の道が開かれつつある。

プレシジョン・オンコロジーの継続的な進歩により、PIK3CA変異がんは現在、革新的な治療戦略の最前線にある。

遺伝子変異選択的治療の開発は、より効果的かつ個別化されたがん治療への重要な一歩となる。

 

https://ecancer.org/en/news/26071-new-advances-in-targeted-therapies-for-pik3ca-mutated-cancers

(2025年2月25日公開)

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