腎細胞癌(RCC)は化学療法に対して強い抵抗性があり、そのためインターフェロンα(IFN-α)が転移性RCCのファーストライン治療として広く認められている。チロシンキナーゼ阻害剤であるスニチニブも、最近、RCCのセカンドライン治療において高い奏功率を示している。IFN-αとスニチニブの直接比較を行った第III相試験の最終結果がJournal of Clinical Oncologyの2009年8月1日号に発表され、転移性RCC患者のファーストライン治療としてスニチニブがIFN-αより有効であることが示された。
本試験の中間結果は、2008年8月、第44回米国癌治療学会(ASCO)において研究主任であるRobert J. Motzer氏(Memorial Sloan-Kettering Cancer Center)によって発表され、IFN-αの比較で、無増悪生存率(PFS)におけるスニチニブの優位性が示されていた(それぞれ11ヵ月と5ヵ月、p<0.001)。今回の発表では、全生存率の最終分析および有効性・安全性に関する最新結果が取り上げられている。
治療抵抗性の転移性RCC患者750人は、スニチニブ投与群(50mgを1日1回経口投与、4週間の投与後2週間休薬のサイクル)またはIFN-α投与群(9MUを週に3回皮下投与)にランダムに割り付けられた。それぞれの治療群の患者は、スニチニブまたはIFN-αを少なくとも1回は投与された。各群のベースライン時の特徴は同様であった。
試験の主要評価項目はPFSであり、副次的評価項目には全生存率(OS)、客観的奏功率(ORR)および安全性が含まれていた。治療期間の中央値はスニチニブ群で11ヵ月、IFN-αで4ヵ月であった。
スニチニブを投与された患者のORR(47%、 95% CI、42%~52%)は、IFN-αを投与された患者のORR(12%、95%CI 9%~16%)より有意に高かった(p<0.0001)。完全寛解はスニチニブ投与群患者の11人、IFN-α投与群患者の4人に認められた。PFS中央値はスニチニブ投与群で11ヵ月(95% CI 11~13ヵ月)、IFN-α投与群で5ヵ月(95% CI 4~6ヵ月)であった(HR=0.539、 95%CI 0.451~0.643、P<0.001)。
OSの中央値もIFN-α投与群よりもスニチニブ投与群で有意に高く、それぞれ21.8ヵ月(95%CI 17.9〜26.9 ヶ月)と26.4ヵ月(95%CI 23.0〜32.9ヶ月)であった(HR=0.818、95%CI 0.669〜0.999、P=0.049。
ベースライン時の臨床特徴および以前特定された予後リスク因子をコックス比例ハザード回帰モデルによって分析したところ、スニチニブはほとんどの患者サブグループにおいてIFN-αより優位性を示した。ECOG一般状態、血清ヘモグロビン値、診断時から治療開始までの期間、補正血清カルシウム値、アルカリ性ホスファターゼ値、乳酸脱水素酵素、および転移部の数は、すべて生存の有意な独立予測因子であった。
グレード3および4の有害事象(AE)は両群とも比較的少なかった。治療関連のAEはIFN-α投与群よりもスニチニブ投与群で多く発生し、駆出率の低下は3%と13%、甲状腺機能低下は2%と14%であった。AEによる治療中止率はスニチニブ群で19%、IFN-α群で23%であった。主に疾患進行による死亡件数はスニチニブ群で23件、IFN-αで20件であった。治験責任医師の評価によると、死亡3件は治療関連死亡であり、そのうち1件はスニチニブ群(突然死)、2件はIFN-α群(心疾患1件、心筋梗塞1件)であった。スニチニブ関連で最も多かったグレード3 AEは高血圧(12%)、疲労感(11%)、下痢(9%)と手足症候群(9%)であった。
研究者らは、スニチニブが転移性RCC患者のファーストライン治療においてIFN-αよりもOSを有意に改善し、良好な安全性プロフィールを示し、また、治療反応およびPFSの改善に関連していると結論付けた。
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