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ecancer:肺がん:低侵襲手術により患者の回復が早くなる

13 May 2019

カナダでは、毎日78人が最も致命的ながんである肺がんの診断を受けている。

 

彼らの中には、普通の開胸術で肺葉の1つを取り除いてもらう人もいるが、開胸術は回復に数か月を要するリスクのある外科手術である。

 

しかしながら、より侵襲性が低く、より安全な外科技術が存在し、そしてより広く使用される可能性がある。

 

第99回米国胸部外科学会年次総会で発表された大規模な国際臨床試験(NCT02719717)で、超音波エネルギー装置を用いた肺動脈シーリングと組み合わせた胸腔鏡下肺葉切除術ビデオ補助胸腔鏡下手術(VATS)により、術後出血、合併症および疼痛のリスクが軽減したことをUniversity of Montreal Hospital Research Centre (CRCHUM) の胸部外科医兼研究者であるMoishe Liberman博士と研究チームは発表した。

 

VATS手術は、患者の胸部に25 cm切開し、肋骨を切開する開胸手術とは異なり、小さな切開を必要とする。

 

小型ビデオカメラを切開部の1つを通して挿入する。

 

両方のタイプの外科的介入において、肺動脈枝は非常に細く、壊れやすく、そして心臓に直接付着しているので出血の危険がある。

 

「カナダ、アメリカ、イギリスの病院で行われたこの臨床試験のおかげで、われわれは、超音波シールによって肺血管を安全に密閉し、VATS手術中の出血を効果的に制御することが可能であることを示した」と、University of Montréalの外科准教授Liberman氏は述べた。

 

これまでは、主に出血の実際の危険性または外科医のこれらの危険性に対する認識のために、VATSは世界の小葉切除術の15%しか行われていない。

 

「この臨床試験結果により、この手術の技術的な実現可能性と安全性について外科医が安心し、採用を奨励することを本当に願っている。多数の患者が恩恵を受ける可能性があり、より少ない痛みでより早く回復するだろう」と、Liberman氏は述べた。

 

次世代の機器

 

CRCHUMでの5年間の前臨床試験、動物への試験、外科的介入の安全性を示す第1相および第2相臨床試験後、Liberman氏のチームは2016年に開始された大規模な国際第2相臨床試験を最近完了した。

 

カナダ、アメリカ、イギリスの8つの病院の患者150名に対して、この新しい手法の有効性を評価することができた。

 

そのうち139名が肺葉切除術を受け、残りの11名が分節切除術(肺の小さな部分の切除)を受けた。

 

研究期間中、合計424本の肺動脈分枝を密封した。181本は外科用ステープラーを使用し、4本は内視鏡クリップ、そして239本はHARMONIC ACE(登録商標)7 Shearsを使用した。

先端に3mmの顎があるこのハイテク「ピストル」は、外科医が超音波エネルギーを供給することによって血管を密封することを可能にする。

 

世界保健機関(WHO)によると、世界では毎年肺がんによって約169万人が死亡している。

 

https://ecancer.org/news/15960-lung-cancer–less-invasive-surgery-for-faster-recovery.php

 

(2019年5月4日公開)

 

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