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e-cancer:がん全般 ストレスホルモンは休眠腫瘍細胞を再び覚醒させ、がん再発のリスクを高める可能性がある

09 Dec 2020

マウスの研究と肺がん患者80名のデータが、ストレスホルモンと好中球と呼ばれる免疫細胞が休眠中のがん細胞を覚醒させ、治療後数年で腫瘍の再発の原因となる可能性を示唆している。

実験は、化学療法や手術で治癒したように見えた後しばらくして、なぜがんが再発するのかという永続的な質問の回答に役立つ。 結果はまた、ベータ遮断薬として知られている承認薬でストレスホルモンを標的にすることが腫瘍の再発を防ぐのに役立つ可能性があることも示唆している。

腫瘍の再発は、がん患者の死因の最大の原因の一つである。しかし、どの生物学的メカニズムが腫瘍の再発を促すのか正確には不明である。
しかし、研究によれば、がんの初期段階で最初に広がった休眠腫瘍細胞が再び活性化するにつれて、再発が展開することが示唆されている。

Michela Perego氏らは、ノルエピネフリンなどのストレスホルモンがマウスの休眠中の肺がん細胞と卵巣がん細胞を再活性化することを発見した。

具体的には、研究者らは、マウスをストレスの多い状況にさらすと、ストレスホルモンのレベルが上昇し、好中球がS100A8 / A9タンパク質と脂肪分子を放出し、腫瘍細胞が休眠状態から再び覚醒することを発見した。

ただし、腫瘍細胞は、実験的なベータ遮断薬を投与されたストレスアウトマウスでは休眠状態のままだった。

研究者らはまた、肺がんを外科的に切除した患者80名の血清サンプルを調査し、高濃度のS100A8 / A9を保有する患者は手術後33か月で再発する可能性が高いことを確認した。

Perego氏 らは、 S100A8 / A9タンパク質を標的とするベータ遮断薬または化合物は、再活性化プロセスを妨害する潜在的な治療法として評価されるべきであると述べ、しかし、腫瘍細胞休眠のより洗練されたモデルの必要性を強調している。

https://ecancer.org/en/news/19201-stress-hormones-can-reawaken-sleeping-tumour-cells-raising-risk-of-cancer-recurrence

(2020年12月2日公開)

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