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e-cancer:血液学 肝臓とサイトカインの組み合わせによるヒト化が循環赤血球を促進させることが研究により示された

31 Mar 2021

Yale University免疫生物学部とYale Cancer Centerによる新たな研究において、肝臓と成長因子の組み合わせによるヒト化が、免疫不全のマウス宿主の循環におけるヒト赤血球の産生と生存を促進することが報告されている。

この発見は、骨髄異形成症候群などの生命を脅かす血液疾患や鎌状赤血球症、マラリアなどの赤血球を冒す疾患の治療法の開発に役立つ可能性がある。本研究は、Science誌にオンラインで公開されている。

「サラセミアや鎌状赤血球症などの赤血球疾患は、世界人口の約5%が罹患している」と、Yale Cancer Centerの医学(血液学)の非常勤助教であり、研究の共同筆頭筆者であるYuanbin Song医学博士は述べている。

「我々の研究結果は、マラリアなど、赤血球と肝臓に複雑に関連する疾患の研究において、この研究モデルのユニークな可能性を浮き彫りにしている」

「MISTRG」マウスは、Yale University医学部およびYale Cancer Center免疫生物学のSterling Professorであり、ヒト成長因子とヒト様免疫系に関する研究の共同筆頭筆者であるRichard Flavell博士の研究室で開発された。

MISTRGマウスにおけるヒト赤血球の循環の分析は、マウスの肝臓が赤血球の分離と破壊の主要な部位の1つであることを明らかにした。

MISTRGマウスのフマリルアセト酢酸加水分解酵素(Fah)遺伝子の削除により、マウスをヒト肝細胞に置き換え、循環中のヒト赤血球を促進することができた。

最も一般的な細胞タイプの1つであるヒト赤血球は、人類の進化を通じて強い遺伝的選択を受けており、ヒト赤血球に関する有害事象は多くの人口と医療制度に大きな負担をかけている。

「これは、循環血液中のヒト赤血球を用いた最初の異種移植モデルであり、疾患の病理生理学的メカニズムの研究、および骨髄異形成、骨髄不全、鎌状赤血球症などを含む多くの疾患の治療の前臨床試験のための新たな道を拓くであろう」と、Yale Cancer CenterおよびSmilow Cancer Hospitalの血液学部長であり本研究の共同筆頭著者であるStephanie Halene医学博士、医学准教授(血液学)は述べた。

https://ecancer.org/en/news/19799-study-shows-combined-liver-cytokine-humanisation-rescues-circulating-red-blood-cells
(2021年3月8日公開)

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