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14 Jan 2026
「アスピリンは大腸がん予防について研究されてきたが、その有効性は限定的であり、出血リスクが使用を制限している。一方、現在、糖尿病や肥満の治療で広く処方されているGLP-1受容体作動薬は、代謝制御とがん予防の両面において、より安全な選択肢となる可能性がある。本研究は、アスピリンとGLP-1受容体作動薬を直接比較した初の大規模リアルワールドエビデンスを提供している点で重要である」と、主著者であり、The University of Texas at San AntonioのHematology & Oncology FellowであるColton Jones医師は述べた。
本研究は、商用データベースであるTriNetXの医療データを用いて実施され、281,656名の参加者が解析対象となった。
そのうち半数はGLP-1受容体作動薬、残りの半数はアスピリンを使用していた。
両群の参加者の平均年齢は58歳で、大半は女性(69%)であった。
参加者の人種構成は、白人67%、黒人12%、アジア系2.3%であった。
研究者らは、GLP-1受容体作動薬またはアスピリンの使用開始後に大腸がんと診断されたかどうかを確認するため、参加者の医療記録を調べた。
参加者の健康状態の追跡期間中央値は、GLP-1受容体作動薬群で約6年、アスピリン群で約5年であった。
「GLP-1受容体作動薬には、体重減少効果にとどまらない幅広い有益性を有する可能性がある。これらの知見は、GLP-1受容体作動薬ががん予防の治療戦略においても重要な役割を果たし得ることを示している。アスピリン、非ステロイド性抗炎症薬、スタチンによる大腸がん発症における予防的有用性については、これまで長年にわたり検討されてきた。本リアルワールド研究は、GLP-1受容体作動薬がこの分野において有望な役割を担う可能性を示唆している。これらの薬剤ががん予防に寄与し得る可能性を理解するため、さらなる研究は最優先課題である」と、ASCO消化管がん専門家であり、Taussig Cancer Center(Cleveland Clinic)のVice Chair of Regional OncologyであるJoel Saltzman医師が述べた。
研究者らは、これらの知見を無作為化比較臨床試験において検証する予定である。
(2026年1月6日公開)