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e-cancer:大腸がん ASCO GI 2026:ASCO GIで発表された新たなデータにより、転移性大腸がんの一次治療におけるアミバンタマブの持続的な奏効が示された

21 Jan 2026

RAS/BRAF野生型の転移性大腸がん患者を対象に、上皮成長因子受容体(EGFR)およびMETを標的とする二重特異性抗体であるアミバンタマブを、FOLFOXまたはFOLFIRI化学療法と併用して評価した第Ⅰb/Ⅱ相OrigAMI-1試験における新たな長期追跡結果が発表された。

本試験において認められた有望な抗腫瘍活性、持続的な奏効、ならびに治療関連有害事象による中止率の低さ、大腸がんの一次および二次治療を対象とした進行中の第Ⅲ相試験におけるさらなる検討を支持するものである。これらの結果は、2026 American Society of Clinical Oncology Gastrointestinal Cancers(ASCO GI 2026)のポスターセッション(抄録番号166)において発表された。

「これらの結果は、アミバンタマブと化学療法の併用が、進行大腸がん患者に対して臨床的意義があり持続的な効果をもたらす可能性を示している。これは、これまで予後不良とされてきた肝転移を有する患者を含めて認められたものである」と、イタリア・ミラノのIRCCS Foundation, National Cancer InstituteにおいてGastrointestinal Oncology UnitのHeadを務めるDr. Filippo Pietrantonio, M.D.は述べている。「一部の患者では2年を超えて奏効が維持されていることが認められており、持続的な有効性の達成が困難であった本疾患において大きな進展を示す所見であり、本治療アプローチの有望性を裏付けるものである」

大腸がんは世界で3番目に多く診断されるがんであり、がん関連死の主要な原因の一つである。従来は高齢者に多い疾患とされてきたが、近年では50歳未満での発症率の上昇が認められている。患者の半数以上は最終的に転移性疾患を発症し、約70%で肝転移を伴うとされている。このような状況下では、現在の一次治療に対する耐性が比較的早期に生じることが多く、患者が治療効果の恩恵を受けられる期間が短縮される。RAS/BRAF野生型の転移性大腸がんにおいて疾患進行を来した患者では、二次治療の選択肢はいまだ限られており、EGFR阻害薬と化学療法を併用した治療による従来の奏効率は32~36%、無増悪生存期間(PFS)の中央値は5.4~6.4ヵ月と報告されている。さらに、EGFR阻害に対する耐性の主要な原因としてMETの異常が高頻度に関与していることが示されており、両経路を同時に標的とする新たな治療アプローチの必要性が示唆されている。

詳細な試験結果

第Ⅰb/Ⅱ相OrigAMI-1試験のコホートDおよびEでは、RAS/BRAF野生型の転移性大腸がん患者を対象に、アミバンタマブの静脈内投与を単剤療法またはFOLFOXもしくはFOLFIRI化学療法との併用療法として評価した。対象患者はいずれも、KRAS、NRAS、BRAFおよびEGFR遺伝子変異陰性であり、HER2増幅を有さないことが確認されていた。転移性疾患に対して、1ライン以内の全身療法歴を有する患者は登録可能であったが、EGFR阻害薬による前治療歴を有する患者は除外された。主要評価項目は安全性であり、副次評価項目として全奏効率(ORR)、奏効持続期間(DOR)、臨床的有益率およびPFSが含まれた。全生存期間(OS)は探索的評価項目として評価された。

追跡期間中央値16ヵ月(範囲:1.2~29.5ヵ月)時点において、アミバンタマブとFOLFOX(n=20)またはFOLFIRI(n=23)を併用した治療では、試験全体で確認奏効率(ORR)51%(95%信頼区間[CI]:36~67)が達成された。奏効は比較的早期に認められ、初回奏効までの期間中央値は8.3週(範囲:7.3~20.3週)であった。DORの中央値は9.3ヵ月(95%CI:5.8~14.7)であった。PFSの中央値は9.2ヵ月(95%CI:5.4~12.9)であり、OSの中央値は算出不能(NE)(95%CI:16.2~NE)であった。一次治療サブグループでは、ORRは73%(95%CI:53~86)であり、データカットオフ時点においてDOR中央値は未到達であった(95%CI:7.3~NE)。

一次治療サブグループで治療を受けた11例中、4例は根治目的手術へ移行することが可能であった。二次治療サブグループ(n=32)では、ORRは44%(95%信頼区間[CI]:26~62)であり、DOR中央値は7.4ヵ月(95%CI:5.4~14.5)であった。二次治療として治療を受けた患者の3分の1以上が1年を超えて治療を継続しており、3例では2年を超えてアミバンタマブ投与が継続されている。肝転移を有する患者(n=30)においても、本試験では良好な有効性が示され、ORRは57%(95%CI:37~75)、PFS中央値は11.3ヵ月(95%CI:5.9~16.4)であった。

安全性プロファイルは、これまでに報告されている大腸がんにおけるアミバンタマブと化学療法の併用療法の結果、および各薬剤の既知の安全性プロファイルと一貫していた。治療下で発現した有害事象は、主としてEGFRおよびMET阻害に関連する事象、ならびに化学療法に伴う既知の有害事象であった。治療関連有害事象により治療中止に至った患者は4例(9%)であった。グレード3以上の有害事象として最も多く認められたのは好中球減少であり、新たな安全性シグナルは認められなかった。

「転移性大腸がんの治療は長年にわたりほとんど変化がなく、新たな治療戦略の必要性が改めて浮き彫りになっている」と、Johnson & Johnson Innovative MedicineにおいてVice President, Global Head, Solid Tumor Clinical Development and Companion Diagnosticsを務めるKiran Patel, M.D.は述べている。「われわれは、EGFR変異陽性肺がんにおける科学的リーダーシップを基盤として、EGFRとMETの二重標的化作用を有するアミバンタマブの可能性を、大腸がんを含むこれらの経路により駆動される他の固形腫瘍において評価している」

FOLFOXおよびFOLFIRIとの併用下で皮下投与のアミバンタマブを評価する国際共同無作為化試験OrigAMI-2試験およびOrigAMI-3試験を含む主要な第Ⅲ相試験が現在進行中であり、一次および二次治療の大腸がんにおけるアミバンタマブベースの治療レジメンの有用性について、さらなる検証が行われている。

 

https://ecancer.org/en/news/27626-asco-gi-2026-new-data-at-asco-gi-show-durable-first-line-responses-with-amivantamab-in-metastatic-colorectal-cancer

(2026年1月15日公開)

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