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22 Jan 2026
BREAKWATER試験の新たな結果は、標的療法エンコラフェニブとセツキシマブに化学療法FOLFIRIを併用することで、BRAF V600E変異を有する転移性大腸がん(mCRC)において腫瘍の大きさや数を減少させうることを示した。
標的療法の追加によって、副作用が増加することはなく、FOLFIRI単独よりも良好な奏効をもたらす。
本研究は、1月8~10日までサンフランシスコで開催される2026 American Society of Clinical Oncology (ASCO) Gastrointestinal Cancers Symposiumにおいて発表される予定である。
「最近、FDAによって承認されたエンコラフェニブおよびセツキシマブとFOLFOXとの併用療法は、この患者群に対する標的療法の使用の重要性を示唆した。しかし、新たに診断されたBRAF V600E変異を有するmCRC患者の約20~25%が、化学療法としてFOLFIRIを受けている。FOLFIRIは、末梢神経障害の報告頻度がより低いなどのさまざまな理由から選択される可能性がある」と、筆頭著者であり、MD Anderson Cancer Centerの腫瘍内科医であるScott Kopetz博士(M.D., Ph.D.)は述べた。
BREAKWATER試験の本コホートでは、標的療法エンコラフェニブおよびセツキシマブと化学療法FOLFIRIとの併用は、BRAF V600E変異を有するmCRC患者において腫瘍を縮小させるかどうかが検討された。
エンコラフェニブは、V600E遺伝子変異に起因する変異型BRAFタンパク質を阻害する。セツキシマブは、EGFRと呼ばれる別のタンパク質を阻害する。
これら2つの薬剤は併用によって、より長時間作用する。FOLFIRIは、フォリン酸、フルオロウラシル、およびイリノテカンを組み合わせた化学療法レジメンである。
FOLFOXとFOLFIRIの効果は同等であるが、異なる副作用が生じる傾向がある。エンコラフェニブおよびセツキシマブとFOLFIRIとの併用(標的治療群)と、ベバシズマブ(化学療法と併用される別のがん治療薬)併用または非併用のFOLFIRIが比較された。
本コホートには、年齢中央値62歳の参加者147名が含まれていた。約半数が男性であり、がんの治療歴はなかった。参加者は測定可能な腫瘍を有し、活動レベルの制限はほとんどないか、全くなかった。
試験参加者は、2つの治療群に無作為に割り付けられた:
両治療群において、追跡調査期間中央値約10か月後に、以下の結果が得られた。
標的療法ではがん治療による副作用の悪化は認められなかった;標的治療群の参加者の39%に重篤な副作用が認められたのに対し、標的療法を受けていない参加者では37%であった。
標的治療群の約10%、化学療法群の約9%が早期に治療を中止したが、これは副作用の重症度が両群間でほぼ同等であったことを示している。
「BREAKWATER試験の今回の追加データは、BRAF V600E変異を有する大腸がんにおいて、より良好な疾患制御と奏効率をもたらすのは標的療法を主軸とした治療であることを明らかにしている。初回治療におけるFOLFIRI化学療法の追加は、一次治療レジメンの選択の際に、腫瘍内科医と患者により多くの選択肢を与えることになるだろう」と、ASCOの消化器がん専門家であり、Cleveland Clinic Taussig Cancer CenterのRegional Oncology副部長であるJoel Saltzman氏は述べた。
BREAKWATER試験は現在も実施中である。研究者らは、奏効の持続期間と患者の生存期間を明らかにするため、本コホートの調査を継続する予定である。
(2026年1月6日公開)