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ecancer : 肝臓 : 肝臓がんの標的薬に対する耐性を克服する

07 Sep 2017

KAIST研究チームは、ITからの調査とライフサイエンスの結合であるSystems Biologyを使って、肝臓がんの薬物治療を改善するための新しい方法を発表した。

KAIST のDepartment of Bio and Brain Engineering 教授Kwang-Hyun Cho氏は、Seoul National University Hospitalの内科教授Jung-Hwan Yoon氏と共同で本研究を実施した。

本研究は、Hepatology誌に発表された。

肝臓がんは世界中で男性では5番目、女性では7番目にみられる最も一般的ながんである。
特に、韓国では10万人あたり28.4人が肝臓がんで死亡する。OECD国の中で最も高い死亡率であり、日本の2倍である。

韓国では毎年、平均で16,000人が肝臓がんになる。しかし、5年生存率は12%以下である。

National Cancer Information Centerによれば、昨年のデータに基づくと、肺がん (17,399)が、がん関連死の最も高い割合を占め、続いて肝臓がん(11,311)が高い。

肝臓がんは他のがんに比べて、最も高い社会的費用を使うことで知られており、高齢者集団(40-50歳代)では最も高い死亡原因である。

その意味で、副作用を和らげ、生存率を上げる新しい治療を開発することが必要である。

手術、塞栓、薬物治療のように肝臓がんを治す方法はある。しかし、外科手術が実施できない段階の進行がんを治すには、その選択肢は限られる。

抗がん剤の中で、sorafenibは、がん患者の生存率を延ばすことで知られるが、進行肝臓がん患者のための標的抗がん剤として使用許可されているユニークな薬剤である。

韓国では、その売り上げは毎年100憶ウォン以上に到達した。しかし、その効果は治療した患者の約20%のみにしか作用していない。

また、sorafenibの獲得耐性が新たに出現している。

さらに、sorafenibの作用メカニズムと耐性メカニズムはぼんやりとしかわからない。

Sorafenibだけが末期がん患者の生存率を平均で3か月弱延ばすだけだが、それが広く使われるのは、世界的製薬企業が開発した薬剤がその効果を上回れなかったからである。
Kwang-Hyun Cho教授の研究チームは、sorafenibの効果と耐性メカニズムを同定するために、sorafenibに反応する細胞株内の遺伝子発現の変化を解析した。

結果として、研究チームは、Systems Biology解析を使ってsorafenibの耐性メカニズムを発見した。

コンピュターシミュレーションと生物学的実験を融合させることによって、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)がsorafenibの耐性メカニズムにおいて極めて重要な役割を果たすこと、そして、PDIを阻害することによって、sorafenibの効果が有意に改善されうることが明らかになった。

研究チームは、実験ではマウスを使用し、肝細胞がんとして知られる肝臓がん細胞を減少させるために、sorafenibとのPDI阻害相乗効果を発見した。

また、sorafenibに対する耐性を有する患者の組織内ではより多くのPDIがみられる。

これらの結果から、研究チームはその臨床応用の可能性を同定できた。

研究チームは、また、あるレトロスペクティブコホート研究の臨床データからもこれらの結果を確認した。

「細胞株内で重要な役割を果たす分子は、主に複合調節下に置かれる。このため、既存の生物学的研究は、基本原理を発見するためには本質的限界がある」とCho教授は述べた。「この研究は、ITとライフサイエンスを融合したSystems Biologyアプローチを使うことで伝統的なライフサイエンス研究の限界を克服する代表的な例である。がんの標的薬物作用メカニズムのネットワーク解析を用いて薬物耐性を克服する新しい方法を開発する可能性のあることを示唆している」

http://ecancer.org/news/12262-overcoming-resistance-to-targeted-drugs-for-liver-cancer.php
(2017年9月1日公開)

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