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MNT : 心不全:腸内細菌を破壊すると転帰が改善される可能性がある

27 Apr 2018

驚くべきことに、ヒトの腸内細菌を死滅させると、心機能の改善や心不全後の心臓障害レベルの低下に役立つことが最近の研究で明らかになった。

 
心臓が全身に血液を十分送ることができなくなった状態は、心不全として知られている。

米国には約600万人の心不全患者がいる。

心不全は深刻で、患者の約半数は5年以内に死亡している。

肥満と糖尿病は心不全の危険因子であり、これらの罹患率が上がると、心不全を発症しやすくなる。

心不全がどのように心臓にダメージを与えるのか、またそのダメージを防ぐことはできるのかどうかを解明することは重要である。ユニークな視点でこの問題に取り組んでいる科学者が、タフツ大学(メドフォード マサチューセッツ州)博士課程修了者のFrancisco J. Carrillo-Salinas氏である。

腸内細菌、T細胞、および心不全

Carrillo-Salinas氏は、心不全からの回復に免疫システムと腸内細菌がどのような役割をしているのかについて興味を持っている。

Carrillo-Salinas氏は、仕事の目的について説明している。「われわれの研究室では、胃がどのように心臓に伝達しているのかについて研究している。胃は体の中でT細胞と細菌の最大の貯蔵庫で、微生物叢を制御することにより、T細胞の活性化や心不全を引き起こす心臓の変調を制御することができる。

T細胞は白血球の1種で、免疫反応においてきわめて重要な役割を担っている。常在する腸内細菌はT細胞の産生を増やし、腸内にこれらの免疫細胞が大量に蓄積される。

同氏は、カリフォルニア州サンディエゴで開催された2018 Experimental Biology meetingの一環であるAmerican Society for Investigative Pathologyの年次総会で最新の知見を発表した。

同氏の最新研究は、最近の知見に基づいている。免疫反応の特徴である炎症は、心疾患で重要な役割を果たしていることが知られている。

同氏は以前の研究で、T細胞が心不全中に心臓に入ることを実証した。さらにほかの研究により、微生物叢の変化が心臓の健康に影響を及ぼすことが示された。

これらの関係をさらに研究するために、同氏はマウスモデルを調べた。マウスの半分は、5週間かけて抗生物質と抗真菌剤で腸内細菌を除去した。このグループの半数と抗生物質を投与されなかったグループの半数は、ヒトでの心不全の影響を模倣するための手術を受けた。

腸内細菌を死滅

予想どおり、完全な微生物叢を持つマウスの心臓と比較すると、腸内細菌がないマウスの心臓は損傷が少なく、血液をより効率的に送り出していた。

心臓に侵入し心臓障害を軽減したT細胞数の減少という、期待どおりの結果であったが、研究者らはその効果の強さに感銘を受けた。

「十分に保持された心機能をみているという事実は驚くべきことである。さまざまな細菌が胃を再構築すると心臓で何か起こるのかについて、素晴らしいデータを楽しみにしている」

理論的には、T細胞は心不全によって活性化し、心臓組織に入り込む。一旦入り込むとT細胞は、免疫反応においてシグナリング分子であるサイトカインを放出する。

サイトカインは炎症と瘢痕組織形成を引き起こし、その両方が心臓を損傷する。腸内細菌がいなければ、利用可能なT細胞は少ないので、これらの変化を阻止できる。

これは新しく面白い分野である。Carrillo-Salinas氏はその魅力について説明した。

「腸内微生物叢が心臓のような遠隔臓器の機能を直接制御す方法を理解することは、最近心不全と診断された患者の進行を防ぐ治療的アプローチに新たな光を当てるだろう」 

これらは始まったばかりだが、このような研究は、心不全のリスクがある人もしくは心不全の患者へのよりよい治療につながるかもしれない。

「われわれの研究で、腸内微生物叢の枯渇が心機能障害を予防することが証明され、このことが微生物叢のどの部分が心不全の進行につながるのかを解明する将来の研究につながる」とCarrillo-Salinas氏は述べた。

https://www.medicalnewstoday.com/articles/321584.php

(2018年4月24日公開)

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