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MNT:多発性硬化症:多発性硬化症の原因は何か? 画期的な研究により手がかりが見つかる

04 Jun 2018

多発性硬化症は、消耗性の疲労、視覚障害、平衡および協調運動障害、筋硬直を引き起こす可能性がある。

多発性硬化症は通常、日常生活に支障をきたすが、原因ははっきりしていない。

多発性硬化症(MS)では、免疫システムが誤ってミエリンや軸索を覆っている鞘を攻撃する。

軸索は、脳細胞が情報を運ぶ電気信号を送ることを可能にする突起である。

損傷が起こると、運動機能や認知機能、視覚などのさまざまな機能が次第に損なわれる。

世界保健機関(WHO)と多発性硬化症世界連合(MSIF)が2008年に共同でまとめたMS資料のAtlasによると、「MSの推定有病率中央値は10万人あたり30人であり」、米国はMS症例の最も高い有病率のひとつである。

MSを引き起こす正確な原因は未だに不明であるが、現在は、生物学的要因を除外することよりも症状の管理に重点を置いている。

しかし、スイスのジュネーブ大学とジュネーブ大学病院の新たな研究により、われわれはこの病気の発症原因の理解に一歩近づけたかもしれない。

「われわれは「さまざまな病原体に誘発される自己免疫反応を調べ、[MSにおける]感染因子を分析することを決断した」と上級研究員のDoron Merkler氏は説明している。

「これは、感染があった[MS]の発症に影響を及ぼす可能性のある要因を特定するためであった」と同氏は補足している。

チームの研究結果は、昨日(2018年5月15日)Immunity誌に発表された。

ウイルス性の病原菌は自己免疫の引き金となる

同氏らは、MSの発症と一致する反応を引き起こす可能性があるものを理解するために、2つの異なる病原体もしくはウイルスや細菌の病原菌への免疫系の反応をテストすることにした。

そのため、研究者らはマウスモデルで作業を行い、健康な齧歯動物にタイプ別の病原菌を注入した。

研究者らが気づいたのは、体の免疫反応に重要な役割を果たすCD8+Tリンパ球のようなある種の白血球が、ウイルスや細菌性病原体に同じように反応することであった。

「われわれは、CD8+Tと呼ばれるリンパ球から、定量的に同一の免疫反応をみた」と筆頭著者であるNicolas Page氏は述べている。

「しかしながら、」と同氏は補足した。「ウイルス性の病原菌に感染したマウスだけが[MSを]連想させる炎症性脳疾患を発症した」

この観察結果により、科学者らは、ウイルス性の病原菌の影響を確認するためにCD8+T細胞の遺伝子発現を調べた。

彼らは、細菌に反応したリンパ球が特定のDNA結合因子、もしくはTOXというDNAを構成することを助けるたんぱく質を発現することを見いだした。

TOXは、脅威とみなす異物に対する免疫反応を開始する特定のリンパ球の発生に寄与する。

この場合、Page氏がさらに説明するように、彼らは「炎症環境がTリンパ球におけるTOXの発現に影響を与え、それがMSを引き起こす可能性があることを見いだした。

TOXはどのようにしてMSを引き起こすのか?

しかし、実際、MSのような自己免疫疾患の発症にTOX発現が重要であったかどうかをチームはどのように決定できたのだろうか?彼らは、その重要性を証明する効果的な方法は、健康なマウスのCD8+T細胞のDNA結合因子を抑制することであると考えた。

Merkler氏の言葉によると、研究者らがその時に気づいたのは「彼らはウイルス性の病原菌を受け取ったが、マウスは病気を発症しなかった」ことであった。

通常、われわれの脳は神経細胞を損傷し、中枢神経系に損傷を与える可能性のある自己免疫反応を回避する十分な能力を備えている。

「われわれの脳は、限られた再生能力しか持たないため、体の免疫反応に対して自分自身を守らなければならず、ウイルスと戦うことで細胞を破壊し、不可逆的な損傷を与えることが可能である」とMerkler氏は説明している。

「それから脳は、Tリンパ球の通過をブロックする障壁を築く」と同氏は補足している。

しかしながら、TOXがCD8+Tリンパ球において活性化されると、脳が健康なニューロンを攻撃しないように送るいくつかの信号を細胞が受け取れなくなる。そのため、この「メモ」がなければ、リンパ球は脳細胞を標的とする自己免疫反応を起こす。

「これは病気の原因を理解するのに有望な結果であるが、人間におけるMSの原因を突き止めるためにまだやるべき作業がたくさんある」とPage氏は述べている。

そのため、研究チームのここからの次のステップは、TOXの役割についてより良い理解を得ることと、ある特定のがんのタイプやMSを除く他の自己免疫疾患の発症に関与しているかどうかを確かめることである。

https://www.medicalnewstoday.com/articles/321819.php

(2018年5月16日公開)

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