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がん領域 - ONCOLOGY UPDATES

MNT : がん : HPVとがん:重要なメカニズムが治療を提案する可能性がある 

ワシントンDCのGeorgetown Universityの新研究では、ヒトパピローマウイルスがどのようにがんを促進するのかを調査している。結果は、標的治療のための可能性に満ちた新しくそして改善された戦略を提示する可能性がある。

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触を通して感染するウイルスのグループに入る。ある種のHPVは、口腔、膣、子宮頸がんを含む様々な種類のがんの原因となる。
CDCのデータによれば、米国の約4人に1人がHPVに感染している。
HPV関連疾患の治療は存在するが、陰部疣贅のような非がん性のアウトカムを標的とするか、異常な細胞活性のスクリーニングを通してがんの予防に焦点をあてるかのどちらかである。
HPVによって起きたがんの治療は、外科的介入と化学療法を含むが、現在、選択肢のどれもがウイルス源に具体的に対処していない。
新研究が明らかにする極めて重要なメカニズム
ワシントンDCのGeorgetown Universityの研究者らは、HPVに起因するがん細胞のサバイバルを促進するメカニズムを現在同定した。
Xuefeng Liu氏が率いた本研究では、がん細胞を不死化状態にする分子装置を説明している。この装置がどのように作用するのかを理解することは、将来的により良い標的治療に繋がる可能性があると、研究者らは示している。
「ドイツのウイルス学者Harald zur Hausen博士がHPVが子宮頸がんの原因の可能性があると1983年に発見して以来、現在これらのがんの標的治療はない」とLiu氏は述べる。
「近年、HPV関連の頭頚部がんの数は米国では増加している。現在、これらのがんを止めるために非常に特別で、より毒性の少ない可能性のある方法を開発し試験するチャンスがわれわれにはある」と氏は付け加えた。
研究者らの結果は、Oncotarget誌に掲載されている。
HPVがんタンパクががん細胞サバイバルを促進する
Liu氏とその研究チームによって実施された以前の研究では、がん腫瘍をサポートすることにおいて、がん遺伝子またはがんの原因となる遺伝子によってコード化されたタンパク質であるHPVがん、E6と呼ばれるプロテインの役割が明らかになった。
研究者らは、HPV E6が、がん細胞内でテロメラーゼ活性を増強しながら、p53と呼ばれる腫瘍抑制タンパク質を阻害すると言及している。
テロメラーゼは、細胞のサバイバルと死において役割を果たす酵素である。正常な細胞内では、テロメラーゼが活性化することはまずない、言ってみれば、これらの細胞は最終的には死ぬ。
がん細胞内では、テロメラーゼがかなり大量に存在する。それにスイッチが入り、活性化すると、それらの感染細胞の生命を延命する。言ってみれば、それらは自然に死ぬことはない。
p53を妨害することによって、HPV E6は、がん細胞の生存率を延長することで、腫瘍成長をサポートしつつ、がん細胞内でテロメラーゼ活性を強化する。
タンパク質相互作用が鍵を提供する
本試験で、Liu氏らは、もう一つの極めて重要な相互作用を明らかにした。HPV E6も、細胞死やアポトーシス、そして細胞分裂の制御においてある役割を果たすmycと呼ばれるタンパク質に影響を与えると述べた。
研究者らは、がん細胞内でのテロメラーゼ活性はE6分子がmyc分子と結合する時に、強化されることを発見した。
このことが示唆するのは、研究者らは、E6-myc相互作用を妨害できる分子を開発することによって、それらに細胞死をさらに受けやすくさせ、がん細胞内で増加したテロメラーゼ活性を止められる可能性がある。
Liu氏は、新しい分子が、二つの間の相互作用を妨害し、mycの代わりにE6と結合する、または逆もまた同様に可能性があると説明する。
「この小分子はおそらくすべての正常細胞に対して、または重要なのは、万能幹細胞に対しても有毒ではないだろう。なぜならmycは影響を受けないからである。HPVがんを特異的に標的としたユニークな治療になる可能性がある」
Liu氏

現在、Georgetown University のLiu氏らは、HPVにがん性腫瘍増殖させるメカニズムを妨げる方法を使ってすでに実験をしている。
https://www.medicalnewstoday.com/articles/319598.php(2017年10月2日公開)

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